macross個人的創作話 「アナザー・パラダイス」

しっかり師走。。。
そんなときにKYなマクロスSSをひさびさにアップします。
箸休めな感じ(?)で気軽に読んでいただければ幸いです。

今回のSSの背景は「マクロス/愛・おぼえていますか」ノベルズ版の地球漂流にまつわるお話ですが、“ハッピーエンド”のその後となります。
映画の小説版でありながら本編とは異質を放つこちらの設定をお借りしました。
実はそのノベルズも失くしてしまい、記憶ちがいははじめに謝っときます。。。


こんなカップリングのお話ばかり作ってますが、
よろしければ乙女系♡マクロスSSをお楽しみください (*α∀α*)
 
以下↓のご確認もプリ~ズ 063.gif

お読みになる前に:::::::::::::::::::::::::::::::::::::

○「二次創作」をご理解いただけない方
○原作、キャラのイメージを壊したくない方
○あまりにお若い方(笑)、男女関係の表現に嫌悪される方

はせっかくですがお控えください。
以上、OK!な方は下記のMore をクリックすると本文です。

●無断転記はご容赦願います
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――いつも拙いSSを読んでくださる方、本当にありがとうございますd(´▽`)b――




 「アナザー・パラダイス」(Another Paradise)




淡いカーテンが揺れている。
ときどき風がざわっと音を立てても、肌寒さは感じない。
外の草木は強烈な生命力を見せつけていて、眠ったふりをしているかのようだった。

薄暗い部屋になめらかな背中が光っていた。
未沙はシーツを手繰り寄せて眠っているが背中は無防備に開けられていた。
顔は横を向き、頬と細く長いまつげしか見えなかった。

輝は目覚めた瞬間からその背中のとりこになった。仰向けのまま腕で頭を高くした輝はそのラインを視線でなぞった。

遠くで鳥の啼き声が聞こえた。
今がいったい何時なのか判らないが、青い闇がまだ猶予を与えてくれるようだ。


              ☆


「あの場所がこんなふうになるなんて」
未沙がワンピースの裾をひらめかせて、くるりと回転した。
明るい部屋を風が通り抜ける。

「・・・それにしても商売人は目ざといね。たちまちこんなホテル建てちゃうんだから」
「でも、とても素敵なお部屋じゃない?」
輝は荷物をどさりと置いて、窓を越えてベランダへ出た。

たった2日間の休み。ここは亜熱帯気候。

――荒れ果てた地球へ降り立ったとき、大きな滝を見つけた。その場所が戦後の開発によってリゾートとして開かれた。

メガロードへの乗船を前にして二人は夫婦になる。
新しい門出の前には膨大にこなさなければならない実務があり、ハネムーンなど元から期待していない。が、婚約祝いを兼ねて仲間が融通して休みを捻出してくれたのだ。
地球へはいつ戻れるか判らない、しばし離れる地球を満喫してほしいと。
“思い出の地”を選んだ――思い出したくないこともあるのだが(未沙談)――といっても、まだこんな風に“人間らしく”過ごせる場所はわずかしかなかったから迷うこともなかった。

「あのとき付けた滝の名前・・・ロンリー・・・ウォーターホール・・・だったかしら?」
輝の後ろから未沙が話しかけてきた。
「ちょっと、滝なんかにそんなキザったらしい名前つけたの誰?」
「もしかして、目の前にいるあなたじゃないの」
「・・・なんだよなあ・・・でもそれはきっとあるものを見たショックでさ・・・」
「――やっ・・・やめて!」
未沙は頬を赤らめて小さいこぶしを握った。
「またそれ以上言ったら怒るわよ・・・!」
「はいはい」
自分で言い始めたのに狼狽している姿が面白くて、輝はにやけながら調子のよい返事をした。
肩をすくめて未沙が言う。
「・・・あのね、ああいう軽率なことをしたってことが恥ずかしいの」
「じゃあ、見るのはいいんだ」
「・・・それもダメ・・・」
未沙の微妙なニュアンスをさすがの輝もそれなりに察するようになった。
二人は口づけをした。

太陽が銀色に光り、陽のあたらない影を濃くする。
白い雲と青い海があたりまえのように広がっていた。
「――ねえ、こんな地球のような星が見つかればいいわよね」
額に手をかざして未沙が言った。
「ああ。――大気があって。空も雲も海もあって」
「でも、本当は私、いつか地球に戻って来たい・・・」
「ああ、そうだな。そしたらまたここに来ようか」
「ええ!」

開放的な白い部屋に未沙の白い服と晴れ晴れしい表情がよく似合った。


                ★

           
早い夕食を終えたあと、輝が散歩に出ようと言った。
「ねえ、例の滝、見に行ってみようよ。裏庭の小道から続いているみたいだよ」
外に出るとまだ薄い雲を照らしていた。
木々は前に比べて生き生きとしているような気がした。
その姿を天に伸ばしたり、あるいは絡みついたりしている。
それを見ていると輝自身の体も心ものびのびとしていく気がして嬉しくなった。
「これさ、あのときの実じゃない?」
輝は足元から拾い上げて、手の中でその実を弾ませた。
「ええ、そうだわ。魚に合って美味しかったわ。柑橘系の」

「――ねえ未沙」
「え?」
「じゃあこの大きくて白いの、ユリの花?」
次に輝は頭上に垂れた花を差して言った。

「・・・驚いた。花の名前なんか知ってるの」
「ちょっと、ばかにしないでくれる?小学生の男の子じゃないんだぞ、そりゃーね、一つや二つや、三つぐらい・・・」
「でも違うと思うわ・・・これは確か・・・トランペット・・・うーん、なんていったかしら」
未沙はちょっと考えて輝を追い越し、先の大輪まで歩いていった。
かがんで、大きくも薄い花びらに顔を近づけた。
輝は匂えば判るのかと、一応訊いた手前もあって答えを待っていた。
が、未沙は一向として花の香りに恍惚としているようだった。

“なんだよ――”

そんな言葉が出そうになった。
未沙が花の名を知らせないからではない。
未沙と花が群れて、自分は蚊帳の外にされたような気がしたからだ。

「あ――いい香りがする」
「・・・分かるよ」
それでも視線を外せない輝が言い放った。
「ここまで匂ってくるもの」
「ねえ、知ってる?花って昼間より夜に香るんですって」
未沙が花から離れて身を起こした。
暗くなってきたあたりに未沙の服が浮かび上がる。
「この花、暗くなった方が開いてきたみたい」
「・・・うん・・・」
花の香り・・・未沙の・・・。
輝はその場で纏った体をぎゅっと抱きしめ、体の細さを感じたいと思った。
未沙といると、たまに走る衝動。
細い肩に結わいてある紐の頼りなさが情熱を焚きつける。

たたずむ輝の瞳を見て、未沙は微笑を返した。
その潔い笑顔に輝の篭もった想いが流れされていった。
輝は視線を緩めて笑顔を返した。

「――ねえ、暗くなってきたから・・・滝を見るなら早く、行こう」
「あら、あなたが滝を見たいって言ったんじゃない」
「そうだけど・・・別に明日でもいいんだ」
「そう。それなら明日の朝に行きましょう・・・今から行っても滝壺までは見えないかもしれないし」
「じゃあ・・・部屋へ戻る?」

やましくなんかないさ・・・・輝は出来るだけさらりと言った。

「でも、もう少しここに居たいわ。だって風が心地いいんだもの」

そう言いながら風がさらった髪を未沙はまとめた。

この自然の中、未沙も気持ちのままに振舞っているようだった。
本当に昼間の熱が冷めた風は気持ちが良かった。

頭上では星が光り始め、闇の始まりを告げていた。
確かめるように輝は夜空を仰いだ。
水の落ちる音は近く、後手にした流れの激しいことだけ分かった。


                 ★        
       


――始まったばかりなのに。
――二人しかいないというのに。

急いてしまう彼と、遠回りしたくなる彼女。

なにかを得えようと重ねた行為も、昇りつめたらたちまちに幻想になってしまう。

力なく横たわっていても夢を見るほどに恋しい。



                 ☆

               
『喉、渇いた・・・』

輝はそっとベッドを出た。
少し眠ったみたいだな――窓の外の色が少し変わったようだった。
明かりは点けずに歩けた。それとも大きくなりつつある月のせいだろうか。

キャビネットの水差しからグラスに注いで一息で飲み干した。
渇きはおさまらず、もう一度、喉を鳴らして飲んだ。

キャビネットの上にかかる鏡に未沙が映っている。
彼女は眠り込んでいるようで動かない。
こうして眠っている彼女を見ると落ち着くのはなぜだろう・・・。

「・・・もう、朝・・・?」

意外、未沙の声がしてハッとした。
しかしその声はあまりにも眠たそうだった。
振り返って輝は告げた。

「まだ朝ではないよ。眠ってていい」
「・・・そう」

未沙は再び目を閉じ、体を丸めた。

輝は未沙が眠るのを見届けると、薄暗い部屋で小さく苦笑した。

――“眠っていていい”なんて――

ずっと、さっきまで自分の興奮を彼女に転嫁してたくせに。

しかもこの手で未沙を掴みながら、あの滝壺の肢体を思うなんて――。
鳥の啼く声と思ったのは、彼女の声だったのかもしれない。
どれほど求めたら満たされるのだろう?
どれほど好きなのか判らないのと同じかな――。

未沙は寝返りを打ってふたたび背中を向けてしまった。
背骨の浮き出た姿態。
黙ったままその背中を目の当たりにした。

一度遂げた気持ちがいつの間にかあの木々のように蘇っていた。
そして触覚だとか湿り気も。

あさましいかな・・・と思った輝はカーテンの隙間から月を見た。

初めて二人で見た月。あの時システムが繋がらなければ、まだ二人ぼっちだったのかな。
いや、マクロスはいずれ戻ってくることになっていたから、やっぱり「星」を探すことが俺たちの宿命なのかも・・・。

月の周りには数え切れないほどの星が瞬いている。
絶えない水音は清らかさをしとねに伝えた。

ここから戻れば、新天地を探す旅に出る。
地球のような星を探すなんて不可能、と思ったりした、けど、澄んだ空気に多くの星の前して、自分たちだけが豊かに棲んでいると思うのは奢りかもとも思う。

生きるものがそれらしく生きられるところが見つかるといい。
だってこの安らかな寝息をずっとずっと守りたいから――。


だから未沙が目覚めてからでも遅くはない、と思った。

それまで輝は未沙の側で眠ろうと思った。
ベッドに戻り、捲くったシーツの隙間からその背に沿うように滑り込んだ。
馴染みつつある体温を胸に感じた。

「・・・輝・・・」

逆を向いたまま未沙がつぶやいた。

「・・・ああ・・・ごめん・・・起こして悪い・・・・・・」
「・・・ううん」
「まだ、寝ていてよ」
「ええ、でも、輝・・・?」
「――なに?」
「いつもそばにいて・・・」

輝は未沙を抱きしめた。
希望を果たせた未沙が微笑んだのを、動物みたいに後ろにいる輝は知らない。

しばらくお互いの身を寄り添わせていたが、どちらからともなく動きが加わった。
エンジェルス・トランペットが眠りにつくころまで、それは続いた。


二人に忘れられた滝の孤独は変わりない。そして変えることなく水を湛え、熱い大地に潤いを与えている。




<おわり>







あとがき:::::::::::::::::::::

コレを作るきっかけは、前回パロディのあとロマンチックなの作りたいなも~と思ったからでした。
たまには輝から未沙へ熱い想いというのを作ってみたかったのですが、うまく調理が出来ませんでした。
想像力がぁ・・・作りたい気持ちはあっても、パワーがついていかなかったかも _| ̄|○ ウウッ;
それなのに最後までロムしてくださってありがとうございました☆
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by peppermint_y | 2008-12-15 17:00 | comic