macross個人的創作話 「LAST LOVE LETTER」

休日を一日多くいただきましたー・・・なんもしてないけど。

変わらずコッチ系のネタがないので、またもや蔵出しSSを。

今回は リン・ミンメイ にスポットを当ててみました。

「マクロス/愛・おぼ」関連のSSはまだ2、3放置しているものがありまして、これらは二次創作を始めたときに錯乱状態070.gifで手をつけたもの。
これもそのひとつで、昨晩チャチャッと手を加えてみました。

内容はといいますと、少女漫画にありがちな設定の “手紙もの” 。
ポエムしてます <爆

戦いが収束(「愛・おぼ」本編終了)、”新しい生活”が始まりつつあるとき、ミンメイから輝へ宛てた手紙とその後をちょろっと描いたものです。

私はどちらかというとアンチ・ミンメイ。
当時、TVシリーズの印象のまま映画を観たし、それよりなにより、輝と未沙がふたたびくっつくか、ということにしか頭になかった=3
映画で新しいキャラクターへ構築されたみんめに気づきもせず、その印象を払拭することはなかった。みんめなんて、ハナっから拒否してた。

でも、20数年も経つと、人間、変わってないようで多少は変わるみたいで、そういうキャラクターが目に入ってきたということは@@@

手紙というパーソナル的な感じがキツそうと思った方はぜひスルーしてください。
クサさも毒ガス並みですし(笑)

臭いフェチの方、またのちほどお会いしましょう ☠☠☠











LAST LOVE LETTER



「輝、お元気ですか?

突然の私からの手紙で戸惑っているかもしれませんね。
でもどうか最後まで読んでくださいね。輝を困らせるつもりはありませんから。

私は相変わらずレコーディングにTVやラジオのお仕事にと目の回るような毎日を送っています。
でも少し変わったのは、使命を感じながら、歌を歌っているということ。
あの時からもっと歌うことが好きになりました。

輝にはずっとお礼を言いたいと思っていました。
あの決戦の日、あの時、私のほおを叩いて正気に戻してくれなかったら――。
とても痛くて一瞬あなたを恨みました――でも輝の手が一番痛かったのかもしれないわね――あの痛みがなければ、私は全てを失って、ひとりぼっちで闇に閉じこもってしまったかもしれません。
そして、運命のようにあの歌と出会い、歌い終えた後、全身が熱く、自分自身で言い表せないほどの感動に包まれていました。
鼓動は止まることなく、歌いたい・・・!
衝動のまま、私はカウントをとりつづけました。

輝、私の魂を救ってくれてありがとう。

ステージを終えたあと、お二人を見かけました。
まだ夢を見ているような気持ちでブリッジを後にしようとしたとき、偶然にも非常通路にいるあなたとミサさんを見かけたのです。
・・・実は・・・それを見た私の心はまだすこし痛かったのです。
あなたとミサさんはただ見つめ合ったまま。ミサさんの頬には静かに涙が伝わるだけ。
そんなお二人から私はなぜか目が離せず、立ちすくんでました。

悲しいのに、なぜ足を止めたのでしょうか?
恋の燃え殻を見届けたかったのでしょうか?

ハートからイタイ、イタイと叫び疲れていたものが羽ばたいていったとき、お二人が紡いだ時間を悟らずにはいられませんでした。
私の恋はとっくに終わっていたんだな、と思いました。

さて、風の噂でミサさんとの結婚が決まったと聞きました。
心からおめでとうございます!

そこでお祝い、といっては何ですが、ハッピィなお二人をリン・ミンメイのコンサートにご招待させていただきます。
最近は曲作りにも挑戦しているので、間に合ったらその歌もご披露します☆
生まれ変わった私の(ちょっと大げさかな?!)初めてのコンサート。
精一杯歌いますので、良かったら来てくださいね。

またいつか、お逢いする日まで。

With Love.
                    Lynn Minmay          」



                  ◇


・・・手紙を書き終えるとチケット二枚を入れて封をしっかり閉じた。
すぐにもポストに投入しよう思い、コートを着て、変装用のメガネを手に取った。

外に出ると思わぬ強い風が吹き、髪とコートのすそを舞い上げた。
メガネをはずし、あたりを見渡した。

「・・・ポスト、どこかしら?」

車のクラクションが響き、つぶやいた声を掻き消した。

「ポ・ス・ト!」

街角を曲がってポスト・ロボットが姿を現わした。
近寄ってきて足元に立ち止まり、彼女の背丈にいいように投函口を伸ばした。
封筒の手はなんのためらいもなく、その入り口へ落とした。

そして、気の向くままに歩いてみようかと思った。

目の前は、あらゆるライトであふれた街なみ。
その縁を彩る街路樹。
設定された季節は、地球と同じ秋の終わり。

閉まっている店の大きなウィンドウに自身が映っているのを、見た。

思わず、暗いガラスの前を走って通り過ぎた。

今度は照明を放つウィンドウの前だった。その中に視線を向けると、広くはないが、整然としている。
鏡とイスが並び、美容院であることがわかった。
客はおらず、店には男性と女性が一人ずつ居た。

「あのー・・・」

ガラスの扉を押し開け、声をかけた。
いらっしゃいませの声のあと、店の二人の表情がすぐ変わったのが分かった。

                   ◇  
              
シャンプーをしてもらうと、香りとマッサージに緊張がゆるんできた。
前髪から滴る水分が頬を伝わった。

「今日はどのようにしますか」
自分の母より若いだろうが、きっと年の近いベテラン風の美容師が鏡越しにたずねる。
「久しぶりに髪型を変えたい、と思って」
「それなら・・・じゃあ、毛先を整えて、全体にカールをつけたりして――」

しぶきをあげないよう小さくゆっくり頭を振った。

「出来るだけ、短くしてください」
鏡に映る自分をもう、さっきのように逸らさない。
垂れた前髪の間から、しっかりと見つめる瞳。



「ありがとう。気に入りました」


『こんなきれいな黒髪を――』
本当に短くしていいんですか、と戸惑いの表情を見せる美容師を
『季節も変わるし、さっぱりしたいし、長く伸ばしてるのだって飽きちゃったの』
と、やっとなだめた。

切っている間、ケープをも羽ばたかせたい気分。
ただ髪を切っただけ。
だけど口紅を変えるのとはどこか違う。

この夏、開かれた扉を全力で駆け抜けた。
その自信は揺るぎないのに、ふとすれば暗い影がこぼれて日々日常に滲みだす。
いまはもう強くて美しいと言えなくもない自分の姿に思わずニッコリと笑いかける。

長い髪が好きだった。
あの頃も自分らしく生きてたと思うけど。
あの人が好きだった。
自分の心が見えないこともあったけど。

美容師は始まりと同じように鏡を覗き込んで言った。
『なんでもお似合いね。でも髪の長いミンメイさんもまた見てみたいわ』
なぜか自分も同じだと思った。

鏡の店を出ると、街はさらに煌々としていた。

明日はコンサートのリハーサルが始まる。
無事に届きますように。ちゃんと届きますように。
けれど、インクが雨に滲んでも、切手が風に舞い上がっても、私が歌い続ければきっとあの人たちへ届くだろう。

明るい街へ歩き出す。光の方へ歩いていく。





<おわり>





あとがき::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

二年後、髪をふんわりとカールし、女っぽく登場したミンメイ。

動いた姿は見れなかったけど(「愛・おぼ」エンディング)、設定集での髪の短いミンメイ。

(その後、”フラッシュ・バック”という企画がありますがww)

違うストーリーを歩んだから、成長の仕方も違うということで。
失恋や時間の過程を外見で表すのはありきたりですが、使命を悟った潔さを表現するには、輝を翻弄した(未沙をも、だ)クルクル・カール姿では物足りないですものネー。

でも、ま、「愛・おぼ」では罪なくオトコにフラれ054.gif
マクロスでは平和の象徴として、リアルではミンメイ・ファンへの恩恵として、”独りぼっちのミンメイ”だけで昇華させたくない気持ちが同性としてどこかにありまして。

いつか再びつややかな髪で”幸せアダージョ”として恋を歌う日が来ることを願ってますvv
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by peppermint_y | 2009-09-24 17:00 | comic