BSアニメ夜話 レビュー 劇場版 エースをねらえ! 

6月28日(火)「劇場版 エースをねらえ!」 (1979年) 監督:出崎 統

司会  岡田斗司夫、乾貴美子

ゲスト 小林七郎、大林素子、黒瀬(?)、唐沢俊一

◆作り手側のゲスト 美術監督 小林七郎さん。
背景画はルパンやエースみたいな両パターンとも描ける人はこの人しかいないと紹介。

◆エースのあらすじ。全て劇場版に書き下ろされた。
1970年代のファッション性が反映されている。ひろみのウルフカットやマキのマッシュルームカットなど。アニメーションがマンガ(原作)を離れ、演出家の“作家性”が出てきた作品。

◆大林素子はジャージに自分の名前を書かず「竜崎麗華」と書いていた。

◆アニメ監督出崎統の特有の効果を紹介。
ハーモニー=劇画タッチになる 三回パーン=同じカメラワークを繰り返す 入射光 パラフィンがけ=暗い影 
演出技巧を開発。現代のアニメに大きな影響を及ぼしている。押井守監督なども参考にしている。

◆黒瀬(歌人)お気に入りのシーン;
雨の中お蝶夫人がひろみを呼び出して特訓をするシーン。『ひろみ、あなたが憎くてこうしているわけではない。自分が7歳からラケットを握った苦しさ、そして今も苦しい。でもこの長い間の苦しさが今の私を支えているのです。』
映像は水溜りに逆さに映ったお蝶夫人。=心情を綴った表現

◆お蝶夫人をテーマに黒瀬が一首。(計二首)
「ひろみあなたへ放つサーブにわが愛は宿るか 頬を冷やしゆく雨」
「一球のエースのために宗像がひろみにそそぐ万の雷火(らいか)は」

◆大林お気に入りのシーン;
初めてダブルスを組む。しかしお蝶夫人はひろみにボールを回さない。『負けるなら私のミスで負けたい。』宗方コーチはそんなひろみに言う、『たった一球でいい。緑川のボールを返してみろ。竜崎に出来ておまえに出来ないわけが無い。』
自分の経験に同じようなことがあったので思い入れがある。

◆唐沢俊一お気に入りのシーン ではなくこの作品の価値を下げてしまったシーン(あえて指摘として);
宗方は緑川蘭子にどうして岡を選んだのかと尋ねられ『母の面影に似ていたから』
これは宗方の個人的なことであって(ひろみ=母の代用品)、私情を挟まず限られた命の中でひとつの才能を育てるという真剣勝負に徹して欲しい。
ただし、これには限られた上映時間に纏めるためには仕方がなかったのかもしれない(テーマが大きくなりすぎないために)

◆88分の中で岡ひろみを際立たせる意味で、TVに比べ映画版では他のキャラクターを落としている。しかし映画版は岡ひろみに自分の感情で切り開いていく感覚を取り入れている。

◆「アニメマエストロ」のコーナー
出崎演出の音響効果 
音響とキャラクターの心情を絡ませる(急いているひろみの心と踏み切りの音)
オン(現実)/オフ(本音、内面の声。心に沁みるような)のセリフ、など。

◆「“電話のケンカ”でリアリティを出した先駆け作品」(日本人は電話で謝り、アメリカ人は直接会い謝る。今後トレンディードラマでもこの電話パターンが増えていく。)
「普通のアニメの3倍くらいの情報量。画面分割が一杯あり、派手でお得感がある。声優さんもすごくいい」(岡田)

◆小林お気に入りのシーン; 背景の数々。「表現の領域に食い込んだ背景」を監督が指示。心理的、主観的な背景の見せ方(=ただ見たままでない背景)。カモメを飛ばせることが多いのは空間の表現をしている?

◆監督の絵コンテを披露。絵コンテの上がりは遅い。描き始めると早い。まず原画マンに見せ、絵が出来上がってから作り上げていく。(小林)

◆出崎作品は純粋なアニメ作品。表現が100%全て(宮崎=「説教屋」富野=「思想家」)(唐沢)

※個人的に記録したものであり、基本的に番組進行と同じですが、少々記憶で補完させているところがあります。
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by peppermint_y | 2005-08-16 17:00 | comic | Comments(0)

昔のマンガやアニメに懐古中


by peppermint_y